1月20日、今田さんの誕生会も兼ねたHMJM主催のイベントにお呼ばれしまして、イベントに登壇してきました。ちょうど一年前に「劇場版プロレスキャノンボール2014」の完成試写会を行い、HMJMの監督さんたちをご招待させてもらって本格的な交流が始まったのが昨日のようだったのを覚えています。
「プロキャノ」の試写会で、目頭を熱くして試写室を出てきたのが今田さんでした。この一年で一緒にお酒を呑んだり、試合を見に来てもらったり、私が作品のコラムを書いたりする関係に。勝手ながらに「テレキャノ」のフォーマットをプロレス側に落とし込んで作品を作り始めた僕らを受け入れてくれたHMJMの皆さんの器量の広さは、私をイベントに呼んでくださったことでも、改めて感じることとなりました。
それでもって今回ゲストの一人として参加させてもらって勝手ながらに色々気付いたんですが、HMJMチームのフットワークの軽さに改めて驚かされたんですね。
まずこのイベントで新作ドキュメントの「MOSHPIT」の予告を完成させておいたり、過去作のアーカイブで、トークを成立させていたり、当たり前ですけど、HMJMの”攻め”をビンビンに感じたのです。現在、ビーバップみのる監督の「501」が攻めに出ていながら、ちゃんと他の監督さんたちの上映作が控えていたりして。
各監督のキャラクターや、それぞれの”武器”も明確じゃないですか。今回のイベントで、今田さんがハメ撮りでとんでもない引き画を撮ってくる武器があることも、松尾さんの解説を聞いて「おぉぉぉ!」と思いました。
これだけ、各監督のキャラクターが明確であれば、次々に話題を展開させていくことが出来ますし、今回のイベントで直接顔を合わせるイベントでも認知がしやすいですよね。
AVって昔からそうだったのかもしれないですけど、常にインディペンデント運営の一歩先を行っているんだと思います。今はSNSで誰もが個人で発信出来る時代だけど、そんな時代になる前から、各監督の”個性”が際立っていて、色んなものと闘いながらやりたいことを堂々とやってきたんだと思う。今回HMJMがPGという膨大なアーカイブを持つサイトを作ったのも、時代と真剣に向き合ってきた証拠なんだと思います。
ちょっと今回のイベントで、私は反省しましたね。私も監督としてもっと欲を出さなきゃイカンと。ずーっとなんか作りたいと思っていても、何かしら言い訳をしてオリジナルの作品を作っていない。大学を卒業したのは6年前ですけど、その時の卒業制作から自主制作のドキュメンタリーを作っていないんですよね。作っていないこともなかったんだけど、ちゃんとした形で完成していなかったり、発表していなかったり。DDTのテレビ番組制作、VTR制作が忙しいっていうこともあるんだけど、30歳にもなったし、もうそういう段階じゃねえなってHMJMの皆さんが教えてくれました。
だって梁井監督たちが音楽ドキュメンタリーを作りたいから、松尾さんに内緒でどんどん撮影スケジュールを立ててたわけでしょう。松尾さんもそこでいったん怒るけど、その後ちゃんと制作に向かわせていくわけじゃないですか。「テレキャノ」で各監督たちのキャラクターが世に伝わったら、各監督に何か作らせてあげる。常に”ネクスト”を作っていくHMJM。やっぱり松尾さんってインディペンデントの最前線を走ってきて、監督としてもプロデューサーとしても絶対的に正義なんだと思いました。
去年、自分がジ・アウトサイダーに挑戦したのも、半ば無理矢理に自分自身にギアを入れるためにしたことですが、今回のイベントでも「映像でしっかりギアを入れないと」って思えました。
監督にとって何かを撮ることって絶対的に正義なんだと。そんなこと当たり前かもしれないけど、無邪気にはしゃぐHMJMの皆さんを見て、そう思えましたね。
今、現在のHMJMを追うことって絶対に面白いことだと思う。映像が誰でも撮れて、インターネットで見られる時代にも、「上映」と「ネット配信」をベースに、時代と共にインディペンデントの面白さを探り続けている。
DVDソフトの売り上げが期待出来ない時代でも、映像が誰でも撮れる時代になっても、映像が面白いことには変わりない、そして今、現在このシーンが面白い現場になって、音楽の方面を取り込みはじめたHMJMはニュー・インディペンデントの最前線にいることを身を持って確認したんです。
刺激的な監督たちと交流させてもらってるのだから、こちらも何か刺激を発信しないと。 今回はまさにHMJMの皆さんに「勃起」させてもらった感じです。2016年は今成も動きます。
今回はありがとうございました、そしてこれからもよろしくお願いします。