モッシュピットへの道(岩淵編)



いつもPGbyHMJMをご覧いただき、どうもありがとうございます。
編集長の岩淵です。この度、私が監督を務めた「モッシュピット」というドキュメンタリー映画が今週末5/21(土)より渋谷ユーロスペースで公開となります。
いま正に編集は最終局面を迎えており、長かった旅も終わりが見えつつあります。
ということで、ざっくりですが制作日誌のようなものをまとめてみました。(岩淵編)とありますので、今後(○○編)もあるかもしれません。

・2015/6月某日

ハマジムに入社し、ゆっくりと新しい環境に馴染みはじめたところで、ライブイベント「エグフェス」の主催者の樋口さんから、イベントのCMとしてHave a Nice Day!(以下、ハバナイ)というバンドのPVを撮ってほしいと依頼がある。自分はヤリマン気質なので、ほいほいと話に乗り、新宿のらんぶるという喫茶店で打合せ。そこでハバナイの浅見北斗とはじめて会う。
最初に話したのはハバナイのこれまでの歩み。その時のメモを読み返すと
「ハバナイはLess than TV(長い歴史のあるインディーレーベル)のような自分たちで作っていた小さなシーンがあったが、そこにBiSとかせのしすたぁ(2組ともアイドルグループです)のお客さんが2年前くらいからハバナイを見に来る。アイドルのお客さんと元々ハバナイを見に来ていたお客さんがぶつかり合い、盛り上がっている」

そのメモにはNATURE DANGER GANG(以下、ネイチャー)とおやすみホログラム(以下、おやホロ)の2組のことも書いてあって、とりあえずライブを観に行きますと話して別れた。

会社に戻ると、今田さんの机の上にATARI TEENAGE RIOT(ドイツのデジタルハードコアのバンド)のCDが置いてあり、

「今田さんアタリ好きなんですか?」と尋ねると、
「そうだよ、最近こんなバンドが好きで」とハバナイのCDを差し出した。
「え!いまこのバンドの人と会ってきましたよ!」

となり、今田さんと梁井さんも誘って、新宿ロフトにハバナイのライブを見に行く。

・2015/6月某日

新宿ロフトのオールナイトイベントではじめてハバナイを見る。朝5時。ハバナイ浅見はTシャツをまくり上げ、とても高いテンションでライブをはじめた。観客も張り合うようにテンションを上げ、激しいモッシュが起こっていた。つい先日に撮影した「どついたるねんライブ」の熱気のようだと思いながら撮影し、その夜の映像でハバナイの「ロックンロールの恋人」という曲のPVを作る。

・2015/8/1

新宿シェルターで、ハバナイ、ネイチャー、おやホロ、せのしすたぁの4組が揃ったライブの撮影に行く。モッシュの中から撮らないとダメだべと相談し、今田さん梁井さんとモッシュの中でカメラを回す。ひゃー。もみくちゃの観客の中でまともに撮影できない。汗びちょびちょで爽快感を味わう。

この時期に、松尾さんから我々三人は注意を受ける。

「最近こそこそなにやってるんですか?」
「ラ、ライブの撮影をしてます…」
「本業のAVの制作が遅れるようなら、ライブの撮影は止めるからね」
「は、はい…」

自分はハマジムに入ったばかりで、勝手なことやってたら、ここにいられなくなる…とビビっていた。すると梁井さんは「最初に松尾さんに話を通しておくと、後で力になってくれるよ」と言っていた。

2015/9/12

青森県で開催される「夏の魔物」というイベントでテレキャノとBiSキャノの上映、weekday sleepersのライブがあるため、ハマジム号2台で青森に向かう(梁井さんは「どついたるねんライブ」の上映があり留守番)。そこで自分は運転の下手くそぶりが露呈(過去に2度スリップして車に突っ込み、計4台廃車)。今田さんもアキヒトさんも運転が上手すぎ。そりゃあテレキャノでレースしてるくらいだもの。
その青森で、ネイチャー、おやホロ、飛び入り参加のハバナイと合流。ネイチャーのPV撮影をしつつ、大盛り上がりの三組のライブも撮影。部活の合宿みたいで、とても楽しかった。帰りにスーパー銭湯に行ったのもいい思い出。この三組をちゃんと撮りたいなと思いはじめる。

2015/10/16

ライブには断続的に通っており、ライブ終わりの楽屋で浅見さんから新しいPVを作りたいと相談を受ける。「blood on the mosh pit」という曲のPVで、曲の前にハバナイの2015年のことを振り返る内容にしたいと。俺はヤリマン気質なのですぐに「やりましょう」と股を開く。ハバナイは11月18日にこれまでよりも大きなステージ、リキッドルームでのライブが控えており、浅見の緊張感と切迫感は高まり続けていた。

2015/10/25

京都メトロでハバナイのライブ撮影。この撮影をPVの素材にしたいと思っていた。交通費を安く上げるため、松尾、アキヒト、梁井、岩淵の4人でまず車に乗って名古屋に行き、「どついたるねんライブ」の上映。その夜、松尾家の実家に宿泊(「私を女優にしてください AGAIN11」のあの家!!)。朝は松尾母もご一緒に喫茶店でモーニングを食べ、梁井、岩淵はさらに西へ。俺は京都に下ろしてもらい、梁井さんは神戸の「どついたるねんライブ」の上映へ。で、京都の深夜イベントでハバナイのライブ撮影をし、漫画喫茶で寝て、翌日に梁井さんにとんぼ返りで京都に戻ってきてもらい、名古屋で松尾、アキヒトを拾い、東京に戻る弾丸ツアーだった。
名古屋から東京に戻る車内、エロい言葉しりとりをしていたところ、松尾さんが「ズラしてハメる」と言い、それが梁井さんのコラムのタイトルになった。

2015/11/4

「blood on the mosh pit」のPVが完成し、夜中に社内で松尾さんと今田さんに見てもらう。二人とも「いいじゃん!」と言ってくれて安心。翌日、ハバナイのライブで浅見さんに会ったところ、「PV良かった」とゴキゲンな返事をもらい、任務完了。

2015/11/10

インターネット番組dommuneにハバナイ出演。その後、ハバナイ、ネイチャー、おやホロの三組にハマジムに来てもらい、松尾プロデューサーから「三組のドキュメンタリーを撮らせてほしい」と話をしてもらう。11月18日、リキッドルームの1日を追わせてもらい、ドキュメンタリー映画を作りたい。
三組とも「もちろんです」と返事をくれたのが嬉しかった。その日、普段のライブ撮影もしている離島というグループの皆さんにも来てもらい、当日は17台のカメラで追うことが決まった。

2015/11/18

リキッドルームでのライブ。この1日にどんなことが起きたのかは映画「モッシュピット」をご覧くださいませ。
会社に戻ったのが深夜2時。とにかく撮影素材の量が半端じゃなく、「これ本当にまとまるのか…」と唖然とした。

2015/12月某日

隣の席の松尾さんから「モッシュピット」の上映は春頃になるだろうから、その前にプロローグ版のようなものは作れるかい?と話がある。11/18の翌日から少しづつ素材の文字起こしを行っているが、11/18以前の話だけで何かまとめられそうだったので、プロローグ版作ります!と言う。

2016/1/18(月)

数日後に新宿ロフトプラスワンで行われる「ハマジム新年会」で初出しする予定の『モッシュピット』プロローグ予告編の編集。が、どうにも上手くいかない。予告編の短い尺の中で三組の魅力を伝えたいのだが、自分がかっこいいと思うカットを積み重ねるだけで何も知らない人に伝わるか。さらにライブ映像だけじゃなく、その裏側に起きていた気持ちの移ろいまで積み込めるか…などと考え込んでしまい手が止まる。うー。その夜、スマップの謝罪会見。そのまま会社に泊まり込んで作業。

2016/1/19(火)

ソファーで起きる。歯磨きし、顔を洗う。『モッシュピット』予告編の編集。徐々に2分半のリズムのような流れが生まれてきて、9割方出来上がったところで関係者や松尾さんに送って確認してもらう。

2016/1/20(水)

予告編をアキヒトさん今田さん梁井さんとでプレビュー。何も知らない人が見て伝わるか?という点で議論になり、ごっそり半分作り替える。そうこうしてる間にイベントに出なければいけない時間に。新宿ロフトプラスワンで『ハマジム新年会とタートル今田聖誕祭』。
まずは『スチャラカ宮下のハマジムベスト100』の上映。これはセブンイレブンの食品ベスト10という記事を見て、営業の宮下さんにもハマジムベスト10を作ってもらおう。いや、10じゃ足らないな、100だ。と思い、宮下さんにベスト100を作ってもらい、それを映像にした。自分的にはこりゃあハマジムファンは喜ぶぞと思っていたが、松尾さんから「電波入ってるね」と冷たく言われた。イベントではお客さんに1位を選んでもらったが、当選者ゼロ。「モッシュピット」予告編も無事に上映。

2016/2/3(水)

午前中に松尾さんと『モッシュピット〜プロローグ』のプレビュー。ラストにエンドロールを入れていたが、そこで松尾さんから画面を止められ、「エンドロールはまだ早い、プロローグなんだからちゃんと次が気になるようにしなさい」と意見。本編で使うであろう映像の断片を入れ込んでラストシーンを作っていく。

2016/2/4(木)

15時に松尾さんとユーロライブに行き、劇場での音の確認。全体的にライブシーンの音量がまちまちだった。松尾さんから「PC上の微弱な音量の変化が劇場では大きく左右するから、それを想像して整音するんだよ」と教えられる。なるほど、松尾さんは今回上映される『豊田道倫映像集まとめ』の編集中、ヘッドホンで爆音で編集していた。劇場での音量を想定するためだったのか。
20時にインフルエンザで寝込む今田さんの家に行き、明日上映の『おやすみホログラムPVメイキング』を受け取る(今田さんは病床で編集していた)。会社に戻って『モッシュピット〜プロローグ』の音量の調整。朝方、終わる。

2016/2/5(金)

14時から社内でイベントの流れを確認する。緊張なのか何なのかわからないが偏頭痛がするので頭痛薬を飲む。17時、ユーロライブへ。最初に『どついたるねんライブ』の上映。低音が前方でくぐもったような音響。劇場によって音楽の響き方がかなり変わることを再確認。それにしても『どつライブ』は映像がやはり強い。カメラがライブに接近していて、色んなものが飛び散っている。
次に今田さんの『おやすみホログラムメイキングと「誰かの庭」PV』。彼女たちの素の表情が満載で自然ににやけてくる。場内のお客さんもよく笑っていた。最後に『モッシュピット〜プロローグ』。音のバランスや細かい編集のタイミングばかりが気になったが、最後は余韻を残せる形になっていたかと思う。スクリーンで見る浅見北斗がとても魅力的に映っていたので良かった。

2016/2/7(日)

もう一度『モッシュピット〜プロローグ』の上映。上映後に色んな感想をもらった。3月中には本編を仕上げるペースで、さらに外側へと飛ばす力を持った作品にしなければ。

2016/2/16(火)

『モッシュピット』の構成台本を書きつつも、なかなか筆が進まない…。映像素材のNG抜きを少しづつ行う。

…と、だらだらと日記を書くのもしょうがないのでざっくりと説明すると、とにかく11月18日以降は少しづつ映像素材を見て、文字起こしをしたり、NG抜きをしたりと本編用の部品作りをし、3月から編集が本格化、…するも作っては壊し、作っては壊しを繰り返し、4月末からは会社にこもりっぱなしで物語の鉱脈を探し続け、5月のゴールデンウィーク明けにうっすらと映画の形が見えてきて、上映まで残り1週間でようやく映画が出来てきて、上映3日前に全て繋がった!!!!という状況です。

二組のバンドと一組のアイドルとお客さんたちの群像ドキュメンタリーがどんな形になっているのか、ぜひ劇場でご確認ください。

モッシュピット〜WEB版

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