山口雅のやさしい味噌カツ vol.26
2017-11-10
コラムニスト:山口雅
昔から、ジェットコースターが大の苦手です。
なんで皆わざわざ怖い思いをしに行くのか、さっぱり分かりません。ウチのお隣の三重県には長島スパーランドという「絶叫系コースターの数が日本一」という遊園地がありまして、馴染み深い遊び場という名古屋人も多いんですが、私は絶叫にも超スピードにも、全く興味がない。ジェットコースターにはもうずいぶん乗ってませんが、このまま乗らずに暮らしたいものです。

しかし、カンパニー松尾監督の2004年のAV『アウトバーン300』は、とってもオススメです。配信サイトのSOKMILでセールになっていたので何気なく見たんですが、面白かったんでご紹介します。
「期限つき再生」で購入し、見終わってすぐに「無期限再生」で購入し直しました。お金をちょっと損しました。でも面白いんで、仕方ないです。
衛星放送用に制作された未ソフト化作品とのことで、あんまり知られていないんじゃないでしょうか。勿体ない。でも配信で見られます。あ、HMJM作品ではありません、スイマセン。でも面白いんで、仕方ないです!


舞台はドイツ、ベルリン。カンパニー松尾監督がハヅキさんという女優と旅に出ます。
この旅には大きな目的があります。それは「ポルシェに乗ってアウトバーンを走りたい」ということ。「彼女が」ではなく、もちろん「松尾監督が」です。
「車に乗るならポルシェがいい。ハイウェイではなくアウトバーンがいい」。…まあ、つまり早い話が「巨乳グラマー美女に乗ったりポルシェに乗ったりして、カンパニー松尾監督(だけ)が喜ぶAV」です。笑


憧れのポルシェを手に入れ、緊張と動揺を見せながらも非常に楽しそうな松尾監督。一方、連れてこられたハヅキさんは大して乗り気でもない感じ。でもそこがイイです。グラマラスボディのハヅキさん、これは確かに「乗りたくなるカラダ」なんじゃないでしょうか。普通にしてる時との落差もあってドキドキしました。
イイ車と、イイ女。それが交互に重ねられていきます。セックスシーンにもドライブシーンにも、何度も繰り返される「憧れのナローボディ」「魅惑のナローボディ」という言葉。「ところでナローボディって何だ? AV用語かな?」と、思わず調べてしまいました。車体の構造を示す言葉なんですね。エロ用語じゃなかった…。


クルマと女をめぐる旅、実はさらに一段階上の目的が用意されています。それは「アウトバーンを300キロで走りながらフェラしてもらう」という、あくなき夢への挑戦です。「全男子の夢!」とのことですが、本当にそうなんでしょうか。男の子って本当に意味が分からん。そんな状況、考えたこともなかった。相当バカバカしいけど、でも面白いです。それに向けてのチャレンジと勝負が緊張感をもって描かれてゆきます。「道が足りない」という表現を初めて聞きました。道って、足りなくなるものなんですね。
それにしても、時速300キロ。私はクルマにもスピードにも本当に全く興味がない女なのでそういう憧れが全然ピンとこないのですが、「極限状態での妙な興奮」ってのだけは、ちょっと分かる気はします。パニック映画なんかでも恐怖にかられたカップルが「え、そこで今!?」という状況でいきなり始めちゃうの、よくありますよね。でもそういう人たちはだいたい最初に襲われて、すぐ死んじゃいます。死亡フラグなパターンです。


男性にとって「女」と「クルマ」は、憧れの対象として同等なんでしょうか。女性とクルマを重ねるダブルミーニングやメタファーは、昔からいろんな表現において結構あると思います。RCサクセションの「雨あがりの夜空に」とかは代表格ではないのかな。
でもこの『アウトバーン300』は暗喩どころか、ズバリそのもの。だって、AVだから。女性とクルマを映像的に重ねて見せる編集も明快です。これも「AVだからできること」のひとつだなあと思いました。フロントガラスいっぱいに広がる夜明けの空が、本当に本当に美しい。


途中で登場する謎のドイツ美女レースクイーンもワケが分からないけど面白いし、安達かおる監督に至っては、ちょっと感動的です。V&Rってやっぱりスゴイですね。
これ、とっても良いAVでした。「無期限再生」で買うことをお勧めします!





SOKMIL アダルト動画、アダルトビデオを見るならソクミル
アウトバーン300
http://www.sokmil.com/av/_item/item110768.htm?ref=search
山口雅プロフィール

名古屋市在住、会社員。

世界の片隅でタウン誌や映画誌の編集をしています。

2014年6月「テレキャノ名古屋非公式BOOK」をきっかけに、『劇場版テレクラキャノンボール2013』Blue-ray特典ガイドブックを取材編集。
名古屋の自主上映主催は2014年12月「アラウンド・ザ・テレキャノ」「テレキャノ英語版」「バクシーシ山下の社会科見学」「劇場版 どついたるねんライブ」「カンパニー松尾の世界」など。
非公式BOOKも上映のたびに作り続けてます。

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